キャメルと女性像
 
まもなくして、タバコの広告は避けて通ることのできない課題と向き合うことになります。社会にめまぐるしく台頭する女性たちと、その広告上での扱われ方の問題です。
タバコの広告に登場する以前から、女性がタバコを吸っていたことは言うまでもありません。しかしながら1920年代にはまだ、女性の喫煙に対する抵抗感が強く、その反動からタバコを吸うことが女性解放の象徴ともなっていました。
実際に女性がタバコ広告に登場しはじめると、当然ながら世論は高まりました。
1928年にはカンザス州で、女性が登場するタバコのポスターが切り裂かれる事件が起きました。
しかし、この広告こそが、時代の転機を迎えるアメリカ社会のタブーを打ち破ることになったのです。

キャメルも20年代の半ばから、女性を広告に起用しはじめましたが、広告の中でタバコを吸うのは依然として男性の特権となっていました。実際に女性に対してタバコを勧めるかどうかは想像にお任せします、というスタンスで描かれたのです。
 
女性は崇拝の対象。
初めは女性の喫煙には抵抗があった。
タバコ広告に登場する女性はまだまだ控えめで、お飾り的な存在。
広告に出るといっても、男性の
タバコに火をつけるだけ。
「男らしい男」に魅入る女性。
 
 
またキャメルの広告は、社会のエリートに焦点を当てるようになりました。当時は狂乱の20年代、時代はジャズ・エイジであり、中央ヨーロッパの貴族たちがアメリカに移住しはじめた頃です。そんな時代の風潮は、流行の最先端にいる人々にとって無視できないことでした。キャメルが広告に有能なイラストレーターたちを起用しはじめたのも、ちょうどこの時代でした。
キャメルの広告で女性たちは、喫煙しないまでもエリートたちだけに許された豪華な生活の喜びを満喫できる場にいます。競馬場で、高級レストランで、列車の中で、スポーツ観戦で。どのようなシチュエーションであれ、キャメルはその喜びの一部分を担うように描かれています。あるポスターでは、お店でキャメルのカートンを買う女性が描かれていました。”そのキャメルは誰のために買っているのか?”広告にレトリック(暗喩)という手法が取り入れられたのです。しかし、彼女が自分のためにキャメルを買っていたことが明らかになるのは、30年代に入ってからなのです。
 
ある意味、喫煙は女性解放のシンボルだった。
タバコは吸わないまでも、
特権的な生活を亭受している女性たち。
誰のために買うの?
キャメルはどこにでもマッチする。
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